BLOG

Diamond world

  1. HOME
  2. ブログ
  3. KNOWLEDGE
  4. 「ダイヤモンドと人類」の歴史

「ダイヤモンドと人類」の歴史

宝石といえば今や誰もが思い浮かべる宝石の王様「ダイヤモンド(Diamond)」。エンゲージリング(婚約指輪)の代名詞として、またトランプの絵柄や野球の内野の名称にも使われるなど人々から愛されてきました。そんなダイヤモンドも、昔は今のような価値ではなかったようです。今回は人類がどうしてダイヤモンドを珍重するようになったのか、その歴史について辿っていきたいと思います。

人類と「硬い石」の出会い

ジュエリーの代名詞として、今では誰もが知る宝石の王様「ダイヤモンド(Diamond)」。「地球からの贈り物」とも呼ばれる天然のダイヤモンドは、現在見つかっている最古のもので約45億年前に生成されたと言われています。つまり、人類が誕生するはるか昔からすでに存在していたことになります。

そんな、ダイヤモンドと人類の出会いは諸説ありますが、紀元前7〜8世紀頃のインドだと言われています。当時は、河川から採取されていたそうですが、あまりの硬さから加工することができず、特別に美しいものではなかったようです。 


ちなみに、名前の由来もその硬さからきているようで、ギリシア語で「屈しない・征服しがたい」の意であるアダマス(Adamas)が語源と言われ、和名である「金剛石」も、インド発祥である仏教の経典の「金剛不懐(きわめて堅固で決して壊れないこと)」を由来とするそうです。

紀元前4世紀頃になると、インドの富裕層を中心にダイヤモンドの取引が始り、紀元前3世紀頃からは古代ギリシア・ローマにも伝わり、インドはダイヤモンドの一大産出地として1700年初頭まで続きます。後に、「コ・イ・ヌール」や「ホープ・ダイヤモンド」と言った伝説のダイヤモンドなど、歴史上もっとも美しいダイヤモンドを産出したと言われるゴルコンダ鉱山もインドの鉱山です。

そして、インドから伝わったダイヤモンドは古代ローマ人にとって、はるか遠くから渡ってきた神秘性、正八面体の結晶の珍しさ、鉄にも勝る硬さ、などから宝飾としての要素よりも、呪術的なものとして珍重されました。
当時は魔物の仕業として信じられていた天災や病気などの魔除として、その刃が立たない硬さが「不屈」であることから、男性が身につける戦いのお守りとして扱われていたようです。

また、この時代はもちろんのこと、数十世紀後に研磨やカットといった加工技術が確立するまでの間、ダイヤモンドは神秘的な価値はあるものの、美しい宝石としての価値は低かったようです。黄金の塩入れ「サリエラ」や著書「チェッリーニ自伝」で有名なルネサンス時代イタリアの金細工師ベンヴェヌート・チェッリーニによると、ダイヤモンドの価格はルビーやエメラルドの8分の1以下であり、それらより価値も低かった、と記録があります。

まさに、宝石の王様どころか、王子にもなれない不遇の時代でした。

「宝石の王様」の誕生

時は流れ15世紀になると、ヨーロッパのベルギーにおいてダイヤモンドの研磨技術が確立されたと言われ、ダイヤモンドとダイヤモンドを擦り合わせてみたり、ダイヤモンドパウダー(ダイヤモンドの粉)を付けた皮で磨く手法が見出されました。

また、研磨技術が確立されたことによってカットの技術も向上し、「テーブルカット」「ローゼンツカット」「ローズカット」などのカットが誕生します。「ローズカット」は、「アンティークカット」などと呼ばれ現代にも通じるカットデザインの一つです。
もともとダイヤモンドの特徴でもあった屈折率(物質中での光の進み方の指標)の高さが、研磨し反射を良くすることによって輝きを放ち、その輝きを増やすためにはカットの技術向上が必要不可欠だったからです。

17世紀には、ダイヤモンドの持つ輝きを最高に発揮するカット「ブリリアントカット」の原型がイタリア・ヴェネツィアで考案され、1919年にベルギーの数学者であり宝石職人のマルセル・トルコフスキーによって、反射や屈折率など光学的特性を計算し開発されました。今でも婚約指輪で有名な「ラウンドブリリアントカット」もこの「ブリリアントカット」の一つです。

こうして研磨やカットの技術進歩により、ダイヤモンドは王侯貴族などの特権階級を中心に、輝きを放つ宝石として徐々に普及していきました。特に男性にとっての、富や権力の象徴として身につけられるようになります。
フランス史上最長の在位期間を誇る太陽王ルイ14世は、歩くとダイヤモンドの音がすると例えられるほど、ダイヤモンドを多く身に付けていたと言われています。また、かのフランス皇帝ナポレオン1世も、その硬い性質で名前の由来にもなった「屈しない・征服しがたい」の意からダイヤモンドを愛したそうです。有名な伝説のダイヤモンド「リージェント・ダイヤモンド」は、彼が戴冠式で身につけたと言われています。

また、産出地も大きく変わっていきます。それまで「インド石」と呼ばれるほど、インドで採掘されていたダイヤモンドですが、18世紀初頭には産出量も減少し始め、同時期に南米ブラジルでダイヤモンドが発見されると、ブラジルが世界の一大産地として取って代わります。ブラジルからの莫大な供給量は、港町で知られるオランダのアムステルダムやベルギーのアントワープをダイヤ産業の中心都市に変貌させます。そして、加工されたダイヤモンドはヨーロッパ中心に世界へと広まっていきました。

こうして宝石の脇役に過ぎなかったダイヤモンドは、一挙に王座に登り詰めたのです。

世界のダイヤモンドを変えたデビアス(De Beers)

世界を席巻したブラジルのダイヤモンドも、18世紀初頭の発見より150年ほど経つと産出量に陰りが見え始めました。そんな1866年に、アフリカ・オレンジ自由国領内(現:南アフリカ共和国内)でダイヤモンドが発見され、それをキッカケにイギリスがその地に侵攻し、イギリス支配下のケープ植民地となります。その地の名前は後に「キンバリー」と名付けられます。そしてこのキンバリーこそ、その後世界最大のダイヤモンド鉱山として発展を遂げ、かの有名なデビアス(De Beers)社が産声をあげた地なのです。

デビアス(De Beers)社の創業は、1888年に「アフリカのナポレオン」と呼ばれ、後に植民地首相となるセシル・ローズとチャールズ・ラッドによって、デビアス合同鉱山株式会社としてスタートします。その後、いくつかの鉱山を買収し合併を繰り返しながら、キンバリーのダイアモンド鉱山のほぼ全てをその支配下に置き、1900年には、ダイヤモンド原石の世界産出量の約9割を独占する企業として成長します。
デビアス(De Beers)と言えば、有名な「ダイヤモンドは永遠の輝き(A Diamond isForever)」のキャッチコピーや、日本においては「婚約指輪は給料の3ヶ月分」という相場を仕掛けた会社でもあり、第二次世界大戦後に、男性が女性にダイヤモンドを贈る習慣が一般的になったのも、このようなマーケティング戦略によるものだと言われています。

また、デビアス(De Beers)グループの販売部門であるダイヤモンド・トレーディング・カンパニー(DTC)は、世界の約35%のダイヤモンドの原石を分類・評価・販売し、DTCから直接原石を購入する権利を持する企業や組織を「サイトホルダー」として許可する制度を設けています。その権利を持つ企業の顔ぶれは、誰もが知る世界的ラグジュアリーブランドなど錚々たるもので、日本では株式会社TASAKI(田崎真珠)が権利を取得しています。

そして、近年では天然のダイヤモンドと同じ、化学組成や結晶構造、物理的特性を持ち人口的に生成することが可能になった「合成(人口)ダイヤモンド」の事業にも参画し、「ライトボックス(Lightbox)」という合成ダイヤモンドのジュエリーブランドも立ち上げています。

独占的だと問題視する声も聞こえてきますが、このようにデビアス(De Beers)は人々のダイヤモンドに対する価値観を変え、世界のダイヤモンド市場をコントロールしながら、価値や品質を守ってきたのです。

最後に、長い歴史の中で先人たちの弛まぬ努力と英知の結果、光り輝く宝石の王様となった「ダイヤモンド(Diamond)」ですが、その価値が上がったことで「ティファニー(TIFFANY &Co.)」「ハリー・ウィンストン(HARRY WINSTON)」「グラフ(GRAFF)」といったダイヤモンドを得意とするハイジュエリーブランドも登場します。また逆に、悲劇も起こりました。1990年代の「紛争ダイヤモンド」、別名を「血塗られたダイヤモンド (ブラッドダイヤモンド)」「汚れたダイヤモンド 」などと呼ばれ、シエラレオネ共和国、ザイール共和国(現:コンゴ民主共和国)、リベリア共和国、アンゴラ共和国といったアフリカの産出国のダイヤモンドが、紛争を起こしている各反政府組織の武装資金源となったこともありました。

このように人類とダイヤモンドは、今や良くも悪くも切っても切り離せない関係となりましたが、未来の両者の関係はどうなるのか今後も目が離せません。

歴史のロマンを感じるダイヤモンドを愛でる

男ダイヤモンドでは、天然ダイヤモンドを実際に入手できるだけではなく、鑑定仕様のルーペやピンセットを使って鑑賞するセット(税込9,800円から)を販売しています。

ルーペを介して原石を覗いてみると、地球誕生時に生じた様々な奇跡をみつけることができます。ダイヤモンドは、数十億年の時を超えて存在する奇跡の結晶。その長い歴史に、想いを馳せてみませんか?

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

カテゴリー