• 2021.07.25

「ノブレス・オブリージュ 」と呪われた「青いダイヤモンド」の物語

ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)

ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)という言葉をご存知でしょうか。 

「持てる者の義務」 18世紀フランスで発せられた言葉です。 

呪いのダイヤ「ホープダイヤモンド」がフランスのルイ14世の手元にあったのは16世紀のこと。

ルイ14世が手に入れたときには112.50カラットであった石がハート型にカットされ69.04カラットになったとされています。 

ほぼ半分の大きさになっていることから、実は隠された片割れがあるのではと囁かれていますが真偽のほどは分かっていません。 

現在の大きさは44.52カラット。こちらもいつの時点でカットされたか定かではありません。 

ちなみにダイヤの大きさを表すカラットとは重さのこと。1カラット200mg。この話は別の機会に詳しくさせて頂きたいと思います。 

ホープダイヤモンド

さて件の「ホープダイヤモンド」

映画「タイタニック」で登場する「碧洋のハート」のモデルともいわれています。最近、再放送されたこともありご存知の方が多い映画ではないでしょうか。

主人公ローズが晩年、甲板からダイヤモンドを海に投げ入れるシーン。実はこのラストシーンは2通り用意されていました。

ひとつはローズが独りで海にダイヤモンドを投げ入れる現在のもの。

そしてもうひとつは皆が見守る中、投げ入れるものです。

“Only life is priceless, and making each day count.”

その時のローズのセリフです。

あなたなら何を想われるでしょう。

さて実際の「ホープダイヤモンド」は本当に呪いの石なのでしょうか。 

実際のところ、数名の所有者はいずれも悲劇的な最後を迎えています。 

しかし考えてみてください。 

もし彼らが繁栄を続けていたのなら、果たしてホープダイヤモンドは世に出たでしょうか。答えは否です。 

ルイ王朝の終焉から窃盗団の手を経て、ダイヤモンド商ダニエル・エリアーソンの手に。その後、1839年に名前の謂れとなったヘンリー・フィリップ・ホープが競売で落札したと伝えられています。 ホープの死後は遺言により一族が保有し続けました。ホープダイヤモンドと名付けられたのもこの時期です。 

1901年にダイヤモンドを売る許可を得たフランシス・ホープ。ロンドンの宝石商、そしてその後アメリカのダイヤモンド商を経て、パリのソロモン・ハビブの手に渡っています。 

1909年、パリの宝石商ローズナウが手に入れ、ピエール・C・カルティエの手に渡ったのち装飾を施されアメリカの名士ヴェリン・ウォルシュ・マクリーンの元へ。 

そして最後の持ち主であるアメリカの宝石商、ハリー・ウィストンによって安住の地・スミソニアン協会に寄贈されました。 

すべての持ち主に不幸が訪れた訳ではありません。 

この比類なき蒼き宝石を想うとき「ノブレス・オブリージュ」が浮かびます。 持つものは持たざるものに対して「義務」を負う。 

呪いがもしあるとしたら、それは人間の欲と羨望によって生まれたものなのかも知れません。 

観るものの心を捉えて離さない輝きを放つダイヤモンド。その輝きは「与える」心にこそ相応しいということでしょうか。 

いずれにしてもハリー・ウィストンは素晴らしく賢明な判断で「呪い」を断ち切りました。その後「呪い」は発動していません。

彼の栄華は語るべくもありませんね。 

ノブレス・オブリージュ。 

さて、あなたは、どちら側で在りたいですか? 

いずれにしても、気高さを纏うダイヤモンドだからこそのお話です。

参照

  • タイタニックDVD 収録特典「もうひとつのエンディング」
  • The Hope Diamond

History of the Hope Diamond 

https://www.si.edu/spotlight/hope-diamond/history (参照 2021-06-30)

SNSでシェア

SNSをフォロー